一重(図左)と生まれつきの二重(図中)は、挙筋や瞼板前組織から皮膚側に達する線維組織の有無の違いがあります。一重の場合、開瞼時皮膚側と結膜側で違った動きをするのに対して、繊維組織のある瞼は固定され、挙筋の収縮時に固定されている上端が折れ曲がり二重を作るのです。
切開法は上記原理を踏まえ、切り込み、組織切除を行い皮膚側と結膜側の互い違いな動きをしないように固定し、瞼が挙筋で引っ張られる時、固定された部分の上端が折れ曲がり、二重を作るのです。
糸の埋没だけでなく、切開式で行えば、折れたたまれる部分より睫毛寄りの部分は創傷治癒過程で癒着が生じ、この癒着は埋没法などのように糸に引っ掛けてある組織が間延びすることは、あまりありませんから、ラインが取れるということは、まずないのです。
たとえ作る二重の幅が小さくても、二重のラインの折れ目に皮膚がたくし込まれることで睫毛が下向きから外向きになるのと瞼列(瞼の開き具合)が大きくなるから、明らかに目は大きく見えます。しかし、狭い二重を広い二重に再手術した際は、この睫毛の外向きと瞼列開大は大きくは期待できません。ただ、元々が浅いラインや埋没法で作ったラインの場合、切開すれば折れ目が深くなる分、たくし込まれる皮膚も多くなり、瞼の開き具合も若干大きくなります。