全切開法の医学

● 全切開法こそ美容整形の原点

「美容整形は目に始まり目に終わる。」という言葉が昔からあります。そして「日本の美容整形は目から始まった。それは全切開法から始まった。と言って過言でない。」と故安見先生や故マサシズエ様は言われていました。鼻高とならんで鼻高以上に目の切開全が古くから行われてきました。

「目は心の窓」この言葉も美容整形では昔から使われます。第一印象で決まるのは、やはり目です。特に女性は目をし優先にして整形を考えるべきです。そして埋没法の二重が良く言えば自然ですが地味な目しかできないのに対し、全切開法の目は劇的な変化として磁力的な吸い込まれるような眼差しを作ることも可能です。

●全切開法の適応

全切開法による二重とは、若い人にとっては「大きな変化を望む」方に向いています。切開した場合華やかな感じや目力が付きます。ナチュラルな感じを希望する場合や人にバレたくない方は埋没法でも十分なことが多いものです。手術する前と後では劇的に違うようにもできます。ドラマチックな変身願望を満たしてくれる手術です。

他方、年配の方の場合、控えめ、自然な二重を望んでもタルミがあるため、それを切り取る必要から全切開法が適応になります。しかし全切開法だからと言って皆、派手になるわけでなく、ご希望に応じて、狭めの二重、二重のラインの深くない二重にすることもできます。 また埋没法で治療を受けたいのだけど、埋没法では少し無理があるようなラインを望む方には、小切開法二重をお勧めしています。

●全切開法の麻酔と手術

麻酔は患者様の負担を考え、緩衝液を混ぜてPHを調節した局所麻酔の注射で行います。麻酔の針は30G、32Gといったとても細い針を使用する為、刺した時の痛みも殆どありません。また、手術前にリラックスできる薬を飲んでもらうと手術中は殆どの方がウトウトしているものです。

デザイン時は、埋没法よりは、ある程度ラインも自由に選択できます。手術当日は、タレント等の写真を持参して頂き参考にさせて頂きますが、ただあまりにも元々のキメの流れを無視したラインは不可能か不自然な形となります。

切開法は単に瞼の皮を切り取り縫い合わせるのでは無く、内部処理で眼輪筋側と瞼板前組織側が癒着し固定されることが重要なポイントです。医師の経験とセンスに関わって来るものです。埋没法と違い若手の先生で全切開法が上手い先生はあまりいません。

なお全切開法は内部処理した部分が癒着するのでラインが取れる事はまずありませんが、手術をして何年も経ってしまった場合、老化による皮膚のタルみで幅が狭く見える事は当然あります。また整形したから何年後かに顔が崩れるということもありません。

                   

● 全切開法で中糸は残すのか?

全切開では糸は残したり残さなかったりとしますが、残さないと言っているやり方も実は表の糸を中の瞼前組織や眼瞼挙筋の腱膜に掛けています。これで外糸が中糸を兼ね、瞼の固定を行っているのですが、あまり早く糸を抜くと皮下の癒着が足りずに妙に浅いラインになったり、全切開なのにラインが取れたなどという悲劇が生じます。ですから外糸が中糸を兼ねる場合は抜糸が1週間以上後になるのです。しかしそれは皮膚に長く糸がついていることで「Suture Mark(縫合糸痕)」と言って傷の汚さが生じますから、美容外科的には抜糸は5日で済ませまたいものです。そうすると中糸と外糸は分けて縫合するケースの方が多いものです。

●全切開法の合併症(難点、リスク)

切開法二重の場合ある程度自由が効くので希望のラインにかなり近付ける事ができますが、東洋人特有の蒙古ヒダの影響で、平行型になり難いケースはあります。そういう場合は蒙古ヒダの切開・切除、皮下眼輪筋切開で対応しますが、とりあえず二重の内側に幅のあるものが出来ても完璧な平行型が実現しないケースはあると思って下さい。

なおリスクとして皮膚の切り取り過ぎによる閉瞼不全(目が完全に閉じない)というのがありますが、実は切開法の術後は一時的には閉瞼不全はおきがちです。これは皮膚を全く切り取らない小切開法でも生じることです。
この閉瞼不全も通常2mm以下なら問題ないとして様子をみて良いでしょう。

傷の汚さもありますが、中糸を入れないがために長く外糸がついていた場合などに気になるものです。これは皮膚に余裕があるなら再手術で傷跡の切除縫合をして綺麗になるものです。

また切開法二重はセンスと勘を働かせて手術しないと、何となく「いかにも整形の目」ということになってしまうのはあります。その辺が医師のセンスに関わる部分と思って下さい。